Luca Scandinavia | 北欧ヴィンテージ・工芸・アート
CASE STUDY

F 邸 part2 西洋磁器コレクションルーム / 埼玉

F邸の続き、part2です。母屋の2階のコレクションルームには、セーブル窯やマイセン窯など、中世ヨーロッパの磁器類がコレクションされています。1724年に焼成されたシノワズリ様式のボウルや、かつてフランスの城で使われていた1840年代のプレートなど、長く歴史を刻んできたマイセンの作品が展示されています。通称キャベツ人形と呼ばれる「パゴダの子供」は、マイセン窯の巨匠で彫刻家であるヨハン・ヨアヒム・ケンドラーと、助手のヨハン・フリードリヒ・エベルラインによって1750年頃に焼成されたもので、かつて手には経典を持っていたであろうとのことです。豪華な紅茶セットは、1740~60年頃の同じくマイセン窯にて焼成された色絵金彩貼花ティーサービス、通称 ”スノーボール” と呼ばれる、エナメルと金彩で無数の小花が装飾されたもので、かつてフランスの城で使われっていたものだそうです。このティーセットは、2010~11年にかけて大倉集古館や細見美術館、愛知県陶磁資料館などを巡回した『マイセン 西洋磁器の誕生』展へ展示されました。一階へ降りる階段や真鍮手摺も内装やお庭同様にご主人がデザインされたそうで、その頭上には、加飾磁器のシャンデリアが提げられており、中世ヨーロッパのとあるキャッスルで実際に蝋燭を立てて使われていたものだという、見応えのある空間となっています。茶室、part3へと続きます。